お久しぶりのブログ投稿です。
ぼちぼちと暖かくなってまいりましたのでいよいよアースも冬眠から覚めてまいりました。
今シーズン最初のブログは3月11日の岩手でのアースの活動報告です。
今回“こよみのよぶね”という活動の一環で(HP)
岩手県の大槌町にヒデ・コクゾウを伴って行ってきました。
宮城までは2回行っていますので距離は実感していましたが、岩手はさらに遠いですね。14時間かかりました。
2時46分、サイレンの音と共に黙祷です。外は1年前と同じ吹雪でした。
今回海に浮かべる3と11のよぶね。岐阜から到着し、多くの方の手によって組み立てられました。
自分たちの役割は海上に出て、スタート時に漁船やよぶね同士を繋ぐこと、そして蛇行しないようにバランスを
とるため、カヤックで後ろからテンションをかけたり、急なトラブルに対応するためのサポートでした。
夕刻、いよいよ海上へ
ヒデとコグゾウ氏、スタッフの人に「ラフティングガイドの人ってあんながっちりしている人ばっかりなんですか?」と問われ、即座に否定しました。
カヤックから撮った写真
同時に堤防に設置された行燈
約1時間30分、湾内をゆっくりと曳航しました。
海に献花されたのであろう花束が時折流れてくる中をゆっくり、ゆっくりとゆきました。
この活動には本当に多くの人たちが関わっていました。
関わった人たちの想いはみんな同じということではなく、きっとそれぞれに違いがあると思うんです。
僕が今回この話をいただいた時、すぐに作家、倉本聰氏が“百万人のキャンドルナイト3.11”に寄せた文を思い出しました。
「北海道では、海難事故があった時、浜で火を焚く習慣があります。それは被害者がもう駄目だと判っても、それでも火を絶やさず焚き続けます。
それは多分、最初は被害者に、村の在りかを知らせる為、そしてそのうち死せる霊たちに帰るべき古里の浜を教える為の悲しい習慣なのだろうと思はれます。
そうした悲痛な、壮大な焚火を、過去に何度か見たことがあります。
東日本大災害で津波にのまれ、海に連れ去られた幾多の人たち。古里への帰着を希んでいるその霊たちへの道しるべにすべく、僕らはその忌日である3月11日、
津波に襲はれた東北の海辺に、せめて小さなろうそくの灯をともし、霊たちの帰るべき古里の位置を知らせてあげようと考えています。
それが彼らに見えるかどうかは判りません。しかし彼らがその灯を見つけ、僕らがあなたたちの古里への帰還を今日も明日も待っていることをせめてもの心の慰めにして戴きたいからです。」
大槌町は1200人以上の方が亡くなったり、行方不明となったりした場所です。
その場所に灯りをともすこと。それは復興というリアルな課題に対しては何の意味も持たないかもしれない。でも、現地の人の心に何らかの灯りをともすことができるのではと思いました。
翌日、僕やヒデが1年前にボランティアとして関わった地区(気仙沼市)に立ち寄りました。
避難所となっていた学校から仮設住宅への移動が進み、多くの重機が活動し、市内のがれきは徐々に撤去され、明らかに復興への歩みは進んでいると感じました。
でも、やはりまだです。まだまだです。
ここから先はただ単純に義援金を集めたり、ボランティアを派遣すればいいということではないと考えています。
アースとしてはどうサポートしていくのか、今回の活動を通じて感じたこと、一年経った現地を見て思ったことを、形にしていきたいと思います。
また皆さんにいろいろと協力をお願いすることもあるかと思いますが、その際はよろしくお願いします。
アースシップ代表 水口晶